第60章 よくも悪魔と呼んだな

葉淇は窓の外を見つめ、一世紀も経ったような気がした。

  あの日、彼女は陸厲沉が嚴治と袁明を銃殺するのを目の当たりにした。

  彼女も死んでしまいたかった、永遠に陸厲沉への借りを返すために。

  しかし、彼女は死ねなかった、まだ生きていた。

  それ以来、彼女は悪夢にうなされ、夢の中では嚴治と袁明が自分の目の前で死んでいく姿ばかりだった……

  彼らの若くて美しい顔、話をしている時の表情、自分を守るように後ろに立たせていた光景。

  一つ一つの仕草、一つ一つの動き、過ごした時間の一コマ一コマが、彼女の脳裏に浮かんでは消えていった。

  彼らはあんなに若かったのに、あれほどの苦労をして魔都の森から逃げ出したのに。

  まだまだ素晴らしい人生があったはずなのに、それらすべてが陸厲沉によって終わらされてしまった。