ホテルに入ると、葉淇と景言深に向かってウェイターが何度も頭を下げました。「いらっしゃいませ!」
ロビーマネージャーは景言深に気づくと、熱心に近づいてきました。「景さま、ようこそいらっしゃいました。こちらへどうぞ」
景言深は頷き、葉淇の手を引いて窓際の席へ向かいました。
ロビーマネージャーはご機嫌取りの笑みを浮かべて言いました。「景さま、しばらくお見えになりませんでしたね」
景言深は軽く微笑んで答えました。「今来たところだよ。婚約者を連れてね」
マネージャーは葉淇を見て驚嘆しました。「おや、婚約者様はこちらの方だったんですね。本当に美しいお方です。お目にかかれて光栄です」
「では、本日は美しいお嬢様にバラのケーキを1つプレゼントさせていただきます」
傍らのウェイターが頷きました。「かしこまりました、マネージャー」