葉安は震える声で言った。「お兄ちゃん、どうしよう?」
葉爍は泣きたくても涙が出ない。絶望感が二人の兄妹を包み込んでいった。
二人は必死に前へ泳ぎ続けた。サメはどんどん近づいてきていた。葉爍は今日のこの状況では、本当にサメに食べられてしまうかもしれないと悟った。
彼は二人の側近に向かって言った。「お前たち二人、サメを引き離せ」
二人の側近は葉爍を命がけで守ることを誓っていた。彼らの存在意義は主人のために生きることだった。
今日、誰かがサメの餌食になるとすれば、それは彼らが死んで主人を危険から守ることだった。
どうせ彼らは傷を負って血を流しているのだから、サメはすぐに彼らを食べてしまうだろう。
二人の側近は仕方なくサメの方へ泳ぎ始め、葉爍と葉安は命がけで浜辺に向かって泳いだ。