第225章 捕まる

しかし問題は、相手が犬を連れているようで、その犬がとても恐ろしいことだった。犬は人の体臭を嗅ぎ分けて、人の居場所を追跡できるのだ。

葉淇はそのことを思い出し、さらに速度を上げて逃げ続けた。

ワンワンワン、背後の犬の鳴き声がますます大きくなっていく。

葉淇は顔色を変え、逃げ惑いながら、枝を伝って一本の木に登った。

そのとき、Toyも葉鶴を連れてここまで追いかけてきた。

「ワンワンワン!」Toyは大木の周りをぐるぐると回りながら吠え続けた。

司徒靜は不思議そうに言った。「なぜここで止まるの?先に追いかけなさいよ!」

葉鶴は小声で言った。「シーッ、話さないで。あの女はきっとこの近くにいる。」

司徒靜は驚いた。「この近くに?」

彼女はこの周辺の茂みを全て見たが、葉淇の姿は見当たらなかった。