第324章 素素の仮面が暴かれる

そのとき。

葉淇は陸厲沉の方を振り向いて、「白ちゃんが毒に当たったわ！陸厲沉、早く王忠を呼んで！もし白ちゃんに何かあったら、子供たちは絶対に許してくれないわよ！」

陸厲沉はようやく事態の深刻さを悟った。

彼はすぐに王忠を呼びに人を遣わし、王忠の診察の結果、白狼さんが毒に当たったことが確認された！そして王忠は白狼さんの首から毒針を取り出した。

陸厲沉の瞳が冷たく光った。

彼は素素を見つめ、「お前が毒を盛ったのか？」

今の状況では、素素は毒を盛ったことを否定できなかった。

彼女は泣きながら言った、「ご主人様、この白狼さんは毎回私を噛むんです。私の体は何度も噛まれて、今回は命まで狙われました。」

「私は...」

陸厲沉は冷たく言った、「だからお前は毒を盛ったのか？」

素素はただ泣き続け、むせび泣きながら息も絶え絶えに、「私、私にも分からないんです。なぜ白狼さんがいつも私を噛むのか...」

そう言いながら、素素はまた気絶するふりをしようとした。

いつもの手口で気絶のふりをして、そうすれば状況が和らぎ、陸厲沉も毒を盛った件を追及せず、他の人も責めないだろうと考えた。

結局、彼女が本当に毒を盛ったとしても何だというのか？あの白狼さんが先に彼女を攻撃し、何度も噛みつき、今回は殺されそうになったのだから！

しかし、そんな機会は与えられなかった。

素素が気絶のふりをしようとした瞬間、葉淇は冷たく言った、「もう芝居はやめなさい！もし気絶のふりをしたら、この白狼さんに刺した毒針をあなたの体に刺すわよ！」

葉淇は冗談を言っているのではなかった。

彼女の黒い瞳には激しい感情が渦巻いており、とても恐ろしかった。

周りに立っていた全員、福おじさんと使用人たちは葉淇の威圧感に怯え、再び葉淇があのクローン人間のように殺意を帯びてきたと感じた。

しかし陸厲沉がいたため、彼らは私語を交わす勇気もなかった。

ただ恐れおののきながら葉淇を見つめ、同時に素素のことを心配していた。

このとき。

葉淇が本当に狂ったように毒針を自分の体に刺すのではないかと恐れた素素は、もう気絶のふりをする勇気もなく、ただ恐ろしさのあまり葉淇を見つめていた。

そうして泣きながら、哀れっぽく、「葉さん、あなたは...」