第60章 席霖の誕生日パーティー

この驚きは、明日まで取っておこうか。

　　もちろん、席牧白が夏星河を誕生日パーティーに招待したのは、彼女を恥をかかせるためではなかった。

　　彼は常安に招待状を届けに行かせる際、ついでにドレスと宝石を選びに連れて行くよう指示した。

　　しかし、結果は彼の予想通りで、夏星河は彼の好意を断った。

　　常安は報告した。「社長、夏さんは明日必ず来ると言っていましたが、ドレスと宝石は必要ないそうです。自分で用意すると言っていました。」

　　席牧白は少し可笑しく感じた。彼女にはお金がないのに、何を用意するというのだろうか？

　　しかし、あの女は頑固だ。要らないというなら、それでいい。

　　おそらく彼女はどんな姿で出席しても気にしないのだろう。彼女が気にしないなら、彼も心配することはない。

　　席牧白は人を外見で判断する人間ではないので、明日夏星河がどんな姿で誕生日パーティーに出席しても、彼の目には変わりはない。

　　もちろん、彼女がこの誕生日パーティーを軽視しないだろうことも信じている。

　　結局のところ、これは霖ちゃんの誕生日、彼女の息子の誕生日なのだから。

　　席牧白が夏星河を招待した後、すぐに多くの人がこのことを知った。

　　席の父と母も知った。

　　席の母は夏星河を招待することに賛成しなかった。席牧白は淡々と説明した。「彼女は何も間違ったことをしていない。それに、彼女は霖ちゃんの母親だ。」

　　「わかっているわ。でも、天心が彼女を見たら、どう思うかしら？」

　　「楚天心も彼女を招待することに賛成している。実際、彼女から電話があって、夏星河を招待してほしいと言われたんだ。」

　　席の母は驚いた。どうしてこんなことに？

　　よく考えてみると、これは楚天心の優しさと寛大さで、霖ちゃんに忘れられない誕生日パーティーを贈りたいのだと分かった。

　　楚天心のこの優しさに、席の母は感心した。

　　しかし、彼女は夏星河が場違いな存在になり、明日席家の恥になるのではないかと心配だった。

　　いや違う、彼女はもう席家の人間ではない。恥をかくとしたら、それは彼女自身の恥だ！