第152章 子供の親権が欲しい

彼女の脳に腫瘍ができていた!

  1ヶ月ほど前、夏星河が交通事故に遭った時、脳のスキャンを受けたが、その時は何もなかった。

  わずか1ヶ月あまりで、腫瘍のようなものができていた。

  しかも小さくない……

  醫者は、悪性腫瘍の可能性が高いと言い、すぐに化学療法を受けることを勧めた。

  手術は最後の選択肢だ。腫瘍の位置が特殊で、軽々しく手術はできない。そうでなければ大変なことになりかねない。

  しかも成功率はわずか5%だ。

  だから化学療法が最良の選択肢だが、化学療法も最も効果的な方法ではない……

  つまり、今回の夏星河の病状は予断を許さない。

  彼女が本当に病死する可能性が高い。

  彼女が見た夢も、十中八九本当だろう……彼女が死に、霖ちゃんも死ぬ。

  この可能性を考えると、夏星河は身の毛がよだつような感覚に襲われた。

  彼女は死ぬのが怖くない。でも、こんなに小さな子供を悲惨な死に追いやることはできない!

  夏星河は瞬時に決断した。席牧白に会わなければならない!

  ……

  席牧白が彼女からの電話を受けた時、ちょうど会議中だった。

  夏星河は電話で彼に尋ねた。「時間ある?今日あなたに会いたいことがあるの。会えないかしら。」

  これは二人が離婚して以来、夏星河が初めて積極的に彼を求めたことだった。

  席牧白はすぐに会議を中断し、立ち上がって退席した。

  ここ数日、彼の頭の中にはずっと夏星河の姿が浮かんでいた。なぜか、彼はその女性のことをますます気にかけるようになっていた。

  だから彼女からの電話を受けると、彼は考えもせずにやって来た……

  彼自身、彼女に会いたいという気持ちがこれほど強いことに気づいていなかった。

  ……

  夏星河はカフェで彼を待っていた。席牧白はすぐに到着した。

  まだ勤務時間中で、人は少なく、カフェにはほとんど誰もいなかった。

  席牧白が入ってくるなり、隅に座る彼女を見つけた。