第232章 改造完了！

今日は彼にとって最高に嬉しい日だったに違いない。いつでも彼の大笑いが聞こえてきそうだった。

多くの人が雲若冰を褒め称え始めた……

ただ一人だけ例外があった。席牧白は会議室の外に立ち、携帯を取り出して夏星河に電話をかけた。

「どこにいる？」彼は低い声で尋ねた。

夏星河は携帯を持ちながら、技術者の動きを監督していた。「実験室で設計をしています」

「雲若冰のは成功した。もうすぐ手術が始まる」

夏星河はそれを聞いても特に反応を示さず、ただ淡々と尋ねた。「手術の時間はいつですか？」

「1時に決まった」

今はちょうど12時を過ぎたところで、十分間に合う。

夏星河は淡々と答えた。「わかりました。1時までには行きます」

「よし、何か問題があれば俺に連絡してくれ」

「はい」

そして二人は同時に電話を切った。席牧白が振り向くと、出てきた楚天心が見えた。

「牧白、誰と話してたの？夏星河？」楚天心は彼を見つめて尋ねた。

席牧白は冷淡な表情で、彼女の質問に答えるつもりはなかった。

彼は脚を上げて彼女を避けようとしたが、楚天心は一歩前に出て彼の体を遮った。「牧白、若冰はもう成功したのよ。まだ夏星河が成功すると期待してるの？夏星河は負けたわ。彼女は成功しないわ！」

席牧白は眉をしかめた。「結局何が言いたいんだ？」

楚天心は悲しそうに言った。「ただ、おばあさまとの約束を忘れないでほしいの……」

もし夏星河が失敗したら、彼女とは一切関わりを持たないという約束だった。

席牧白は冷笑した。「それがどうした？」

楚天心は眉をひそめた。「どうしたって？彼女が失敗しても、あなたはまだ彼女と一緒にいたいの？でも彼女のどこがいいの？私はあなたをこんなに愛しているのに、あなたは……」

「全て君には関係ない」席牧白は冷たい一言を残して会議室に入った。

楚天心はその場に硬直したまま立ち尽くし、非常に不愉快な表情をしていた。

彼女は両手を握りしめ、心の中の狂気じみた怒りと悔しさを抑えるのに大変な力を使った！

でもやはり悔しくて仕方がない、憎らしい。