第229章 雲班長、私たちは成功した

羅俊は焦りながら言った。「夏さん、今から実験を始めるのでは遅すぎませんか?雲若冰のほうがもう成功しそうですよ。」

夏星河は全く気にしていない様子で、「彼女は彼女、私は私。私が作るものは彼女のとは違うわ。」

「でも、雲若冰のデザインは非常に完璧で、夏さん、もしかしてまだ彼女のデザインを見ていないのかもしれませんが、それは…」

羅俊が続けようとしたとき、突然夏星河がコンピューターで開いているデザイン図に目が留まった。

彼の声は一瞬で消え、目は銅鑼ほどに大きく見開かれた。

「これは、このデザイン図は…」

「雲若冰のと同じだって言いたいの?」夏智が彼の言葉を先取りした。

羅俊は激しく頷いた。「そうです!まったく同じです!夏さん、なぜあなたのデザイン図が彼女のと同じなんですか?」

「雲若冰が姉のデザイン図を盗んだからよ。」夏智は軽蔑的に言った。「他人の労働の成果を盗むなんて、恥知らずね!」

「えっ?」羅俊は一瞬驚いた。「雲若冰のデザイン図が、夏さんから盗まれたものだったんですか?」

「そうよ!」

羅俊は夏星河を見る目が一気に崇拝的になった。「夏さん、あなたがこんなに凄いとは思いもしませんでした。本当に敬服します!なるほど、雲若冰がずっとデザインを作れなかったのに、突然できるようになったのは、これがあなたの作品だったからなんですね。でも、なぜ彼女の正体を暴かないんですか?今や彼女はもうすぐ成功しそうです。彼女があなたより先に作り上げたら、他の人はあなたが…」

夏星河は目を瞬きもせずに、「私が彼女のデザインを盗んだと思うってこと?」

「はい…」

夏星河は冷笑した。「私のものはそう簡単に盗めるものじゃないわ。持っていったなら、その結果は彼女が負うことになるわ。もういいわ、彼女のことは気にしないで。始めましょう。」

夏星河はすぐに羅俊に任務を与えた。

しかし、彼女の計画は羅俊を驚かせた。

夏星河は雲若冰が作った完成品を直接利用しようとしていたのだ。

羅俊は自分の耳を疑った。「夏さん、何とおっしゃいました?雲若冰たちが作った義肢を直接使うんですか?」

「そうよ。」

「でも、それは彼らが作ったものです。私たちが使うのは少し…」