第296章 彼女に10人のボディーガードを配置した

なぜかわからないが、夏星河には強い直感があった。スターリバー計画は単純なものではないと感じていた。

  しかし、彼女は未知のものが好きではなかった。未知のものが危険なのか、それとも何なのかわからない。

  もし危険なら、すべてを理解し、事前に対策を立てる必要がある。

  何もしなければ、ただ座して死を待つだけだ。

  だから夏夢と葉深が持っているブラックボックスを、彼女は手に入れなければならない。

  さらに葉深からより多くの情報を探り出す必要がある。

  もしかしたら、母親に関する手がかりも見つかるかもしれない。

  だから今回の夏夢との記憶の交換は、必ずしも悪いことばかりではなく、むしろ災いを転じて福となすかもしれない。

  念のため、夏星河は葉深の父親の過去についても検索してみた。

  案の定、彼の父親も30年前にT市に現れ、12年前に姿を消していた。

  夏星河は、雲若冰、夏夢、そして葉深の父親がすべてスターリバー計画に関係していることを発見した。

  なぜ彼女だけが母親なのだろうか?

  疑問は多すぎて、夏星河にはわからないことばかりだった。これらの謎を解くためには、徹底的に探索するしかない。

  ……

  この日は、夏星河たちにとっても、葉家にとっても、普通ではない一日だった。

  なぜなら、この日に起こった出来事が多すぎて、誰もの想像を超えていたからだ。

  葉家にとっては信じられないことだった。

  夏夢がどうして席牧白を知っているのか。

  席牧白とは誰なのか、全国的に神話のような存在の人物だ。葉深が席家と協力しようとしても、席牧白に会見してもらえる順番には回ってこない。

  おそらく彼の名前さえ、席牧白は知る価値もないと思っているだろう。

  しかし、そんな彼が手の届かない商業神話が、夏夢を知っていて、さらに彼女を連れて行ったのだ!

  葉深はこのニュースを聞いて、ずっとショックを受けていた。

  しかし、どう考えてもこれは良いことだと感じた。

  席牧白は明らかに夏夢を守っている。今、葉氏は機密漏洩の危機に直面し、経営不振も加わって、まさに危機的状況にある。

  もし夏夢を通じて席家の助けを得られれば、すべての危機は問題にならなくなる。