第304章 離婚協議書にサインする

彼は少し黙ってから言った。「これは希少金属なんだ」

「金属?」夏星河は少し驚いた。

彼女は手にしているブラックボックスを注意深く見つめ、確かにこれは金属のように見えた。

しかし、彼女の知っている金属とは全く違うものだった。

なぜなら、とても軽かったからだ。最初は中が空っぽだと思ったが、検査してみると違っていた。

この物質が一体どんな性質を持っているのかさえ分からなかった。

まさか、希少金属だったとは。

「どんな金属?」夏星河は再び尋ねた。

「言っても分からないよ。なぜ私がこれを手に入れたいのかも、聞かないでくれ。言えることはこれだけだ。それ以上は答えられない」

「私が持っていることを、どうして知ってたの?」夏星河は更に尋ねた。

葉深は口元を歪めて、「それも知る必要はない。とにかく、これはあなたには必要ないもので、私には必要なものだということだけ分かっていればいい」