5分もかからずに、席牧白はすべてを片付けた。
夏星河は、彼がこれほど冷酷な手腕を持っているとは思わなかった。
しかし、彼にはそういう一面があった。そうでなければ、今日の成功は得られなかっただろう。
「もう二度とこいつらが君を煩わせることはない」席牧白は部屋に入ると、優しく彼女に告げた。
今の彼の様子は、先ほどの残虐で無情な男とは全く別人のようだった。
夏星河は頷いた。「でも、もう表に出ないで。残りのことは、私一人で処理できるから」
席牧白は軽く笑った。「わかった。口出しはしない。もう私が口を出すことは何もないだろう」
彼女のためにここまでできたことに、彼は既に満足していた。
もちろん、彼は彼女のためにすべてをしてあげたかったが、夏星河は望まないだろう。彼女は誰かに頼る必要など全くないのだから。
しかし、葉深を直接尋問するのは彼女の方がいい。彼女だけが、事の真相を明らかにできるのだから。
……
葉深はすぐに耐えきれなくなり、すべてを白状する気になった。
たとえ刑務所で一生を過ごすことになっても、このような屈辱は受けたくなかった。
最初の拷問は歯を食いしばって耐えられたが、最後に彼らは彼を拘置室に投げ込んだ。そこには変態じみた男たちばかりがいた。
もし認めなければ、清白が保てなくなるところだった!
女性しか愛さない葉深にとって、男に弄ばれるくらいなら死を選ぶ方がましだった。
さらに絶え間ない拷問で、葉深の精神的防衛線は既に崩壊寸前だった。
今や彼は何でも承諾する。ただこれ以上の変態的な懲罰を受けたくないだけだった。
そして今回、夏星河はついに彼との面会に同意した。
葉深は密室の尋問室に連れて行かれた。
すぐに、尋問室のドアが開き、夏星河がゆっくりと外から入ってきた。
葉深は椅子にぐったりと寄りかかり、まぶたを持ち上げて彼女を見つめた。心中の感情は複雑だった。
激しい憎しみと、今は昔と違うという虚しさが入り混じっていた。
以前は夏夢が彼に虐げられるばかりだったのに。こんなに早く、自分が虐げられる側になるとは思ってもみなかった。
葉深は、夏夢がこんな風に変わるとは想像もしていなかった。
こんなにも目を見張るほどに、まるで別人のように。
さらには彼を陥れる計画まで立てられるなんて……