第415章 あなたの名前が見つかった

「軍隊では、きっと良い発展が待っているわ」

「将来は国の最高機関で働くことになるかもしれないわよ」と、ある人が確信を持って言った。

彼らの目には、夏星河にはその能力が確かにあるように映った。

だから彼女が残ることを選べば、必ず良い発展が待っているはずだった。

夏星河は彼らの好意を理解していたが、彼女は本当にここには属していなかった……

彼らの熱意をどう断ればいいか分からずにいた時、席牧楠が数人を連れて突然入ってきた。

「ちょっと来てくれ、用がある」彼は来るなり夏星河に深刻な表情で言った。

夏星河は彼の目の奥に潜む重々しさを見て取り、すぐに胸に不吉な予感が走った。

「分かった」

何も聞かずに、夏星河は彼について行った。

二人が去ると、他の人々は不思議そうに推測し始めた。

「何かあったのかしら、様子がおかしかったわね？」

「まさか本当に何か起きたんじゃない？」

「もしかしたら……」蘇梅は冷ややかに応じ、その口調には少し他人の不幸を喜ぶような響きがあった。

彼女は夏星河に何か起こることを願っていた。

なぜなら、本当に彼女が羨ましくて仕方がなかったから！

……

「何があったの？」外に出て、夏星河は冷静に席牧楠に尋ねた。

席牧楠は歯を食いしばって言った。「確かに問題が起きた！お嫂さん、心の準備をしておいてくれ。今回の問題は深刻だ」

「どうしたの？」

席牧楠は足を止め、彼女を見つめて重々しく言った。「昨夜、警察がまた武器密輸事件を摘発した。だが、首謀者が持っていた機密書類の中に……君の名前が見つかったんだ」

夏星河は驚いて目を見開いた。「私の名前が？」

「ああ！内部関係者のリストだ。君もその中にいた。だが、君には絶対に問題がないと信じている。ただ、なぜ君の名前がそこにあるのか分からない」

「その首謀者は？」夏星河は冷静に問い返した。

「死んだ。昨夜、その場で射殺された」

「つまり、死人に口なしということね」

席牧楠は一瞬驚き、すぐに気づいた。「そうだ、死人に口なしだ。封少煌が君を陥れようとしているのか？」

「そうでしょうね」夏星河は目を暗くして言った。「彼らの組織は秘密保持を徹底している。首謀者が死んでしまえば、下の者たちはリストが本物かどうか分からない。つまり、私の嫌疑は晴らせないということ」