席牧白の前では、彼は瞬時に上官としての威厳を失い、まるで純粋な少年のようだった。
「兄さん、お嫂さんすごいよ。僕、彼女のことが大好きだよ。どうしてあんなに賢いんだろう。だから甥っ子もあんなに賢いんだね。本当に尊敬してるよ、まさに僕の女神だよ」席牧楠は興奮して、心の内を隠すことなく語った。
すると電話の向こうの席牧白は不機嫌になり、まるで自分の大切なものを覗かれたり、奪われたりしたかのようだった。
「夏星河がどんなにすごくても、お前には関係ない。余計な興奮はするな」彼は珍しく厳しい口調で席牧楠に警告した。
席牧楠はまだ違和感に気付かず、当然のように言った。「どうして関係ないの?彼女は僕の嫂さんじゃないか」
「ただの嫂さんだ。でも彼女は俺のものだ。お前が好きになる必要はない」