第406章 全員が真っ黒になった

彼は孫宇を罵っていたが、封少煌たち全員が面目を失ったように感じた。

封少煌はいくら精神力が強くても、その表情は嵐が来る前の前兆のようだった。

彼は冷たく口角を歪め、歯を食いしばるように言った。「夏さんは確かに凄い。勝負がついた以上、もう邪魔はしません。帰りましょう!」

そう言って、大股で立ち去ろうとした。

席牧楠が突然重々しく口を開いた。「封少煌、私の話はまだ終わっていない。そんなに急いで帰る必要はないだろう」

封少煌はゆっくりと振り返り、冷ややかに笑った。「ほう、何か言いたいことでもあるのか?なに、私を侮辱するつもりか?」

席牧楠は口角を上げて笑った。「封長官がそんな風に考えるとは。君子の腹を小人の心で推し量るような人だとは思っていませんでしたが」

「……」封少煌はもはや口角の冷笑を維持できなくなった。

彼は恐ろしいほど陰鬱な眼差しで席牧楠を睨みつけた。

その雰囲気も、恐ろしいものとなっていた……

この瞬間、誰もが彼の危険さを感じ取っていた。

しかし席牧楠は少しも怯む様子を見せなかった。

封少煌を見つめながら、冷冷と言った。「君たちが誠心誠意挑戦してきて、私たちもその挑戦を受けた。ならば礼儀として、私たちも君たちに挑戦できるのではないか?」

「挑戦?」封少煌は冷笑した。「何に挑戦したいんだ?」

「もちろん、両軍の対決だ!」

席牧楠は力強く言った。「封少煌、今、私は我が軍を代表して、正式に挑戦状を叩きつける!二日後に両軍で対決する。受けるか、それとも怖気づくか?!」

封少煌側の人間たちは一瞬驚いた様子を見せた。

まさか彼が挑戦状を叩きつけるとは。

前回挑戦状を出したのは彼らで、その時は得意げだった。

今回は席牧楠が率先して挑戦してきたが、なぜか封少煌たちは面目を潰された気分になった。

能動的な挑戦と受動的な挑戦では、感じ方が違うからだ。

封少煌は邪悪な笑みを浮かべた。「受けて立とう!席長官、今度こそ真の対決だ!どちらが勝つか、見ものだな」

席牧楠は薄く笑った。「ああ、楽しみにしているよ」

「行くぞ――」封少煌は振り返って大股で立ち去った。もう一秒たりともここにいたくなかった。

今日は席牧楠たちを徹底的に侮辱してやろうという気持ちで来たのに。

まさか、こんなにも侮辱されることになるとは思わなかった。