第459話 あの東洋の女か

もし夏星河がまだ生きていたら、ネット上で彼に連絡を取れるはずだが……

しかし、いくつかの場所を確認しても、メッセージは見つからなかった。

帽子の縁の下で、席牧白の漆黒の瞳は暗く沈み、薄い唇は一文字に結ばれていた。

しかし、彼は諦めず、情報の確認を続けた。

そんな時、バロンがチャールズを連れて到着した。

「将軍、連れて参りました!」部下が入ってきて報告した。

「中へ」フィリップは即座に言った。

「はい!」部下は振り返って出て行き、バロンに指示した。「中へ案内しろ」

「承知!」バロンは頷き、チャールズに警告の眼差しを向けた。

彼は道中でチャールズと話をつけていた。基地の場所以外は何も話してはいけない、さもなければ山禾たちを殺すと。

チャールズは素直に協力を約束し、それでバロンもやや安心した。

チャールズを休憩室に案内し、バロンは恭しくフィリップに敬礼した。「将軍、連れて参りました!こちらがチャールズです。IV組織の基地の一つについて知っています。ご質問があればどうぞ」

フィリップと席牧白は同時にチャールズを見た。

チャールズは全身傷だらけで、服は血で赤く染まり、髪は乱れ、無精ひげを生やしていたが、体格は非常に大きかった。

体は衰弱し、顔色は青ざめていたが、琥珀色の瞳は異常なほど鋭かった。

ただ者ではないことが見て取れた。

フィリップはバロンに軽く手を振った。「下がれ」

バロンは一瞬戸惑ったが、従わざるを得なかった。「はい」

出て行く際も、チャールズに警告の視線を送るのを忘れなかった。

チャールズの表情は微動だにせず、それがバロンを不安にさせた。余計なことを話すのではないかと。

しかし、たとえ余計なことを話したとしても問題ない。フィリップがそんな些細なことで処分するはずがない。

この國はすでに混乱していて、誰が本当にクリーンなのか分からない。

問題が大きくない限り、フィリップは見て見ぬふりをするはずだ。

そう考えて安心して出て行ったバロンだったが、出るなり一本の電話を受けた。

「もしもし?」バロンは誰からの電話か分からず、疑問を持ちながら出た。