店員の態度もとても良く、「お客様、どのくらいの金塊に両替なさいますか?十万を超える場合は、少しお得になりますが」
山禾は夏星河の方を見た。
彼も両替する金額がわからなかった。
「百万ならどうですか?」夏星河は店員に尋ねた。
店員は一瞬驚いたが、丁寧に答えた。「その場合はさらにお得になります。例えば百万なら、六十万相当の金塊に両替できます」
「千万ならどうですか?」夏星河はさらに尋ねた。
「七百万相当の金塊になると思います」
「一億ならどうですか?」
店員は驚いて目を見開いた。「一億を両替なさるんですか?」
まさかそんなはずはない、彼らにそんなに大金があるはずがない。
「ただ聞いてみただけです」山禾は慌てて説明した。彼も夏星河がそんな大金を両替できるとは思っていなかった。
店員の表情がようやく落ち着いた。「一億の場合は、八千万相当になります。基本的に、両替額が多いほどお得になります。最高で一回に十億まで両替可能ですが、一ヶ月前の予約が必要です。それ以外は当日両替可能ですが、一日の両替限度額があり、なくなり次第終了となります」
「では両替をお願いします。一億で」夏星河は直接的に言った。声は大きくなかったが、皆を驚かせた。
黎亞たちは皆、目を丸くして彼女を見つめた。
彼女は何を言っているんだ、一億を両替するだって!
それがどれだけの金額か分かっているのか?!
店員も信じられない様子で彼女を見つめ、どもりながら尋ねた。「あ、一億を両替なさるんですか?」
夏星河は冷静に彼を見て、「何か問題でも?」
「い、いえ、問題ありません……」
もちろん問題はない。
でも問題は、彼女にそんな大金があるのか!
しかし、彼女がそう言うからには、本当にあるのだろう。
店員は直ちに彼らをVIP応接室へと案内した。黎亞たちは後ろについて行き、皆とても緊張した様子だった。
夏星河は本当にそんな大金を両替できるのか、もしできなければ追い出されるぞ!
皆、追い出される覚悟をしていた。
同時に、八千万相当の金塊をどうやって目立たずに運び出すか想像せずにはいられなかった。
さらには、変装すべきだと考えた。
夏星河がこんなに大金を両替するとわかっていれば、マスクや服で変装すべきだった。