第442章 この呪われた全てを変える!

数人が夏星河を見つめていた。

山禾は彼女に警告した。「星河、気をつけないといけないわ。バロンに目をつけられた女は、たいてい逃げられないの」

「あの男は変態だし、彼に奪われた女たちはみんな悲惨な目に遭うのよ」と黎亞も言った。

オオカミさんは彼女を慰めた。「あまり心配しないで、私たちが守るから。あなたは私たちの仲間だもの、見捨てたりしないわ」

柯瑞は頷いて、「そうだ、僕たちは仲間だ。見捨てたりしない」

夏星河は急に好奇心を覚えた。

この戦乱の中、至る所に暗部が満ちている國で、彼らはどうやってこのような純粋な心を保っているのだろうか。

しかも、彼女と知り合ってまだ2日しか経っていないのに、もう仲間として扱ってくれている。

彼らは本当に、その誠実さに夏星河は感動した。

「あなたたちには何もないし、私を守ることもできないわ」と夏星河は淡々と言った。

山禾たちは一瞬固まった……

そうだ、彼らには何も残っていない。

家も、護身用の武器も、お金もない。

多くの難民と同じ状況だと言える。

「お金を稼いで、また武器を手に入れる方法を考えるわ」と山禾は約束するように言った。

黎亞は興奮して提案した。「私、またバーでお酒を売れば、みんなの食事には困らないわ」

「僕は……」柯瑞の言葉が終わらないうちに、近くの商店がギャング団に襲われた。

「強盗だ!捕まえてくれ、強盗だ!」店主が飛び出してきて、大声で叫んだ。

山禾たちは反射的に追いかけようとしたが、そのギャング団が突然振り返って一発発砲し、「黙らないと殺すぞ!」と叫んだ。

店主は瞬時に口を閉ざした。

山禾たちも足を止めた……

彼らはようやく気付いた。武器を持っていない彼らが追いかけても無駄だということに。

この危険に満ちた國では、武器がないことは致命的だった。

しかし武器は貴重で、誰もが持てるものではない。

ウーウー……

そのとき突然、戦闘機が空から飛来した。

夏星河が何が起きたのか理解する前に、山禾たちに引っ張られて必死に走った。

走り出してすぐ、後ろで轟という爆発音が響いた。

夏星河はそのとき気付いた。戦闘機が爆弾を投下していたのだと。

山禾たちは彼女を連れて至る所に隠れ、戦闘機は数発投下して去っていった。