そして彼は、この組織を壊滅させる決意をより一層固めた!
奴らは一人も逃がさない、ここは完全に破壊しなければならない。
夏星河も何かを察したようで、画面を見つめる彼女の双眸も同じように冷たかった。
「奴らは百嘉麗に一体何をしたんだ?」黎亞は憎々しげに尋ねた。
しかし誰も答えなかった。
百嘉麗があれほど苦しむ様子を見て、全員の心は重くなった。
「陸祈に連絡して、解毒剤の処方を送ってもらえ」席牧白が突然低い声で夏星河に指示した。
夏星河は何も聞かず、ただ目が一瞬光った。「はい」
あの薬は、確かに彼女が以前注射されたものと同じだった。
毒薬はここから流出したのか。
夏星河はすぐに陸祈と連絡を取り、解毒剤の処方を送ってもらった。
陸祈は突然の彼女からの電話に驚いた様子だった。
彼は多くの質問をしたかったが、最後には「夏さん、お気をつけください。今こちらの状況はよくありません。あなたが姿を現せば逮捕されてしまいます」とだけ言った。
「分かりました、ありがとうございます」夏星河は素早く電話を切り、席牧白に報告した。「入手できました」
「よし」席牧白の声は低く沈んでいた。その後、彼らは再び沈黙した。
百嘉麗がまだ苦しみながら悲鳴を上げ続けていたからだ。
彼らは彼女の様子を撮影し続け、止める気配は全くなかった。
考えるまでもなく、きっとこの映像でフィリップを脅すつもりなのだろう。
……
白衣の男は撮影機に向かって話し終えると、先に牢から出て行った。
なぜか、夏星河は不思議と彼の行方を追った。
監視カメラで暫く追跡し、彼が実験室に入るのを見た。
IV組織の基地は広大で、実験室があるのは不思議ではない。
軍事兵器を製造する実験室さえあるのだ。
しかし夏星河は、これが医学実験室だとは思わなかった!
中の光景を見た途端、彼女も黎亞たちも愕然とした。
広大な実験室には、人体器官を保存したガラス容器が大量に並べられていた。
心臓、肺、肝臓、腎臓、胃、そして脳まで……
どの器官も見る者の心を凍らせるものだった。
まるで恐ろしいホラー映画のセットに迷い込んだかのようだった。
それだけでなく、中央の実験台には黒髪の女性が横たわっていた。
女性は目を閉じ、顔色は青ざめ、息遣いは微かで感じ取れないほどだった。