ざわ——
法廷は一瞬にして騒然となった。
彼女は何を言っているのか?
犯人が封少煌だって、そんなはずがない!
閆逵は目を見開き、何かに気づいたような様子で「なんてこった、まさか奴だったとは!」
「封少煌のはずがない?」
「夏星河、人を勝手に犯人扱いするな」
「ふん、でたらめを言うな。封少煌のはずがない!」封少煌と親しい者たちが、思わず夏星河を叱責した。
封少煌本人は、無表情で夏星河を見つめていた。
しかし、その目は鋭く、冷たかった。
夏星河は恐れることなく彼と視線を合わせ、その落ち着いた態度からは緊張や不安の色は全く見られなかった。
「夏星河、本当の犯人は封少煌だと言うのか?」裁判官も眉をひそめて尋ねた。
その場にいた人々の中で、一部を除いて、全員が夏星河の発言は誹謗中傷だと考えていた。