第524章 封少煌が彼女に会いたがっている

今の席家を、彼女も守りたかった。

だから、席家全体を害しようとする者を許すわけにはいかなかった。

「おそらく、封少煌から手を付けることができるわ」と夏星河が突然言った。

席牧白は少し考え込んでから、すぐに彼女の意図を理解した。

「林家を白状させようということか?」

「そう。もし林芸に本当に問題があるなら、封少煌は何か知っているかもしれない。とにかく、彼から攻めるのが必要よ」

席牧白は頷き、彼女の分析が的確だと思った。

「だが、彼が協力するとは限らない。むしろ、林家に救いを求めて脅すかもしれない」

夏星河は笑みを浮かべた。「でも、誰も彼を救えないわ」

席牧白も笑みを浮かべた。

その通り、誰も封少煌を救えない。

1、彼の罪が重すぎる。

2、彼の証拠はY国大統領から直接送られてきたもので、最高層の注目を集めている。

3、席家は彼を許さず、あらゆる手段で罪を追及するだろう。

4、今日の法廷で、多くの人が彼の罪を知った。もし簡単に許されたら、納得できる者はいない。

だからどの理由からしても、封少煌は這い上がれない。

たとえ林家の弱みを握っていても無駄だ。

林家はまだ全てを牛耳れるほどの力は持っていない。

「よし、彼から攻めよう」と席牧白は決意を込めて言った。これが林家の弱みを最も早く見つけられる方法だった。

……

しかし夏星河たちが予想もしなかったことに、彼らが封少煌を訪ねる前に。

翌日、彼が自ら夏星河との面会を求めてきた。

夏星河は少し困惑した。「彼が私に会いたいって?」

彼が私に何の用だろう?

話すことなんて何もないはずなのに。

知らせに来た警察官が言った。「はい。あなたに会えば自白すると言っています。夏さん、一度会ってみてはどうですか。もし彼が自白すれば、皆の手間が省けます」

夏星河と席牧楠の嫌疑はまだ完全には晴れていない。

もし封少煌が彼らを陥れたと直接認めれば、すぐに問題は解決する。

夏星河は即座に頷いた。「わかりました、会いに行きます」

席牧白は心配で、自ら彼女に付き添って留置所へ向かった。

しかし封少煌は夏星河一人にしか会わないと言い、彼は外で待つしかなかった。

夏星河は面会室に案内された。

これは彼女が二度目にこのような場所を訪れることだった。

前回は葉深に会いに来て、今回は封少煌。