今の席家を、彼女も守りたかった。
だから、席家全体を害しようとする者を許すわけにはいかなかった。
「おそらく、封少煌から手を付けることができるわ」と夏星河が突然言った。
席牧白は少し考え込んでから、すぐに彼女の意図を理解した。
「林家を白状させようということか?」
「そう。もし林芸に本当に問題があるなら、封少煌は何か知っているかもしれない。とにかく、彼から攻めるのが必要よ」
席牧白は頷き、彼女の分析が的確だと思った。
「だが、彼が協力するとは限らない。むしろ、林家に救いを求めて脅すかもしれない」
夏星河は笑みを浮かべた。「でも、誰も彼を救えないわ」
席牧白も笑みを浮かべた。
その通り、誰も封少煌を救えない。
1、彼の罪が重すぎる。
2、彼の証拠はY国大統領から直接送られてきたもので、最高層の注目を集めている。
3、席家は彼を許さず、あらゆる手段で罪を追及するだろう。
4、今日の法廷で、多くの人が彼の罪を知った。もし簡単に許されたら、納得できる者はいない。
だからどの理由からしても、封少煌は這い上がれない。
たとえ林家の弱みを握っていても無駄だ。
林家はまだ全てを牛耳れるほどの力は持っていない。
「よし、彼から攻めよう」と席牧白は決意を込めて言った。これが林家の弱みを最も早く見つけられる方法だった。
……
しかし夏星河たちが予想もしなかったことに、彼らが封少煌を訪ねる前に。
翌日、彼が自ら夏星河との面会を求めてきた。
夏星河は少し困惑した。「彼が私に会いたいって?」
彼が私に何の用だろう?
話すことなんて何もないはずなのに。
知らせに来た警察官が言った。「はい。あなたに会えば自白すると言っています。夏さん、一度会ってみてはどうですか。もし彼が自白すれば、皆の手間が省けます」
夏星河と席牧楠の嫌疑はまだ完全には晴れていない。
もし封少煌が彼らを陥れたと直接認めれば、すぐに問題は解決する。
夏星河は即座に頷いた。「わかりました、会いに行きます」
席牧白は心配で、自ら彼女に付き添って留置所へ向かった。
しかし封少煌は夏星河一人にしか会わないと言い、彼は外で待つしかなかった。
夏星河は面会室に案内された。
これは彼女が二度目にこのような場所を訪れることだった。
前回は葉深に会いに来て、今回は封少煌。