第566章 ダイヤモンドの総代理店

突然投げつけられた書類に、林菁の顔色が一層悪くなった。

書類は床に落ち、彼女は一瞥もくれなかった。

「夏星河、生意気な真似はやめなさい!」林菁は夏星河を睨みつけながら怒鳴った。

夏星河は冷笑した。「今になって私が誰だか分かったのですか?」

そうだ、彼女は私が誰だか知らないと言っていたのに?今になってどうして分かったのだろう?

どうやら彼女は意図的に無視していたようだ。

周りの人々は再び林菁の人柄を見抜いた……

林菁の表情が再び歪んだ。何か言おうとした時、夏星河は冷たく言った。「見たほうがいいですよ。後悔したくなければ。」

「林社長……」彼女の部下の一人が書類を拾い上げ、その内容を見て驚愕した。「これを見てください!」

林菁は見たくなくても思わず目を向けてしまい、そして彼女は呆然とした。

彼女は急いで書類を奪い取り、その内容を信じられない様子で見つめた!

「こんなことあり得ない――」林菁は顔色を変えて叫んだ。

「何なんだ?」他の人々は書類の内容が気になって仕方がなかった。

「誰か、一人一部ずつ配りなさい。」夏星河は淡々と命じた。

すでに待機していた夏智は興奮した様子で書類の束を持って行き、一人一部ずつ配った。

瞬く間に、展示会場から次々と驚きの声が上がった。

「Y国認定の新しい代理店?!席家がZ国のダイヤモンド供給の新しい代理店になったの?」

「これはいつの話だ?私たちはなぜ知らなかったんだ?」

全員が非常に驚いていた。

こんな重要なことなのに、なぜ一切の情報も漏れていなかったのか?

以前の代理店は他の会社だったはずなのに、どうして席家に変わったのか?

これこそが林菁を震撼させた点だった。彼女は目を見開いて、これが偽物だと確認しようとした。しかし、どう見ても本物のようだった。

席家がダイヤモンド総代理になったのは事実だった。

つまり、これからは寶華のダイヤモンド供給は、すべて席家を通さなければならないということだ!

そうでなければ、ほぼ確実に品切れになってしまう!

今後、彼らのブランドがダイヤモンドジュエリーを販売したければ、席家から原石を仕入れなければならない。

Y国はダイヤモンドの供給大国で、Z国のダイヤモンドの大部分がそこから来ている。

だからこそ、席家が総代理になったことは、その重要な地位を示している。