第572章 異なる周波数の音

かすかに感じられるほど弱かった。

しかし、どうであれ、彼の心臓はまだ力強く生きていた。

あれほど重傷を負っていても、一拍一拍が精一杯の苦しみであっても、それはまだ頑張り続けていた。

そして夏星河も、その頑張りに深く感謝していた。

ゆっくりと身を屈めて、夏星河は席牧白を間近で見つめながら、低い声で話し始めた。「席牧白、もし私の声が聞こえているなら、覚えていてください。必ず頑張り続けて、決して諦めないでください。これが私のたった一つのお願いです。ただあなたに頑張ってほしいだけなんです。どんなに疲れても、どんなに辛くても、諦めないでください。私はあなたを諦めません。だからあなたも自分を諦めないでください。私たち一緒に頑張りましょう、わかりますか？」

「ピッ……ピッ……」夏星河に返ってきたのは、心電図のかすかな音だけだった。