「お前……」林茜は彼女に反論され、怒りを抑えきれなかった。「夏星河、何もできないくせに、よくそんな偉そうな態度を取れるわね?」
「偉そうなのはあなたでしょう。私は反撃しただけよ」
「私があなたを疑うのには理由があるわ。あなたは何もできないのだから。できないなら、ここから出て行きなさい。南郭さまのような真似はやめなさい!」林茜は遠慮なく追い払おうとした。
南郭さまの話は誰もが知っている。
昔、南郭さまという人がいて、楽器が全く弾けないのに宮廷楽団に潜り込み、演奏者を装っただけでなく、たくさんの褒美までもらったという。
林茜は夏星河が手柄を横取りしようとしていると皮肉っているのだ。
他の人々はそんな考えを持っていなかったが、林茜がそれを繰り返し強調するため、彼らも夏星河を南郭さまのように感じ始めた。