「あの人が行ってしまった」突然、黎亞は林慶が離れていったことに気づいた。
夏星河と席牧白はすぐに見やると、確かに彼が一人で裏庭に向かっているのが見えた。
林家のこの婚約パーティーは、自宅の邸宅で開催されていた。
林家の邸宅はとても大きく、裏庭も広大だった。
夏星河は少し躊躇した後、直接言った。「彼に会いに行こう」
「いいね」席牧白も反対せず、どうせ今は運任せで探っているのだから、もしかしたら林慶から何か発見できるかもしれない。
夏星河たちも、静かに裏庭へと向かった。
林慶はこのような賑やかな場面が非常に嫌いだった。なぜならこれらの祝いごとは全て彼とは無関係だからだ。
そう、林家の全ては彼とは無関係なのだ。
彼は彼らの喜ぶ様子など見たくもなかった。それは自分の失敗と哀れさを際立たせるだけだから。