第667章 私とあなたは同じ人間

「私もあなたと同じ人間だから」夏星河は低い声で答えた。

謝小西は驚愕して彼女を見つめた。

彼女は何を言っているの?!

彼女と自分が同じ人間?

「あなた、あなたのお父さんは……」

「私の母よ」夏星河は淡々と答えた。「およそ13年前に消えたわ。あなたのお父さんと同じように、この世界の人間ではなかったはずよ」

謝小西は本当に呆然としていた。

夏星河にもこのような経験があるとは思わなかった。彼女たちは本当に同じ人間だったのだ。

この世界で、自分だけが特別な存在だと思っていたのに。

「あなたもそうだったなんて知らなかった……」謝小西は信じられない様子で言った。

夏星河は頷いた。「以前は私も自分一人だと思っていたわ。でも後で多くの人に出会って、私を含めて、あなたは6人目よ」

「6人?!」謝小西は衝撃を受けた。「まさか6人も」

「そう。だから私たちの両親を見つけて、彼らの秘密を知りたいの。あなたが知っていることを、全て教えてちょうだい」

謝小西も父親を見つけたかったし、彼の秘密も知りたかった。

今は夏星河の助けがあれば、きっと見つけられるはず。彼女の直感が告げていた。夏星河は普通の女性ではない、とても凄い人だと。

IVという組織さえも壊滅させ、今では林家まで倒した。だから必ず彼らの両親を見つけられるはずだ。

それに夏星河は自分と同じ人間だから、もう躊躇することはなかった。

「夏さん、実は私が知っていることはそれほど多くないんです。父がとても普通じゃない人だということと、彼が私に残した黒い金属がとても役立つということだけです。将来それで命が助かるって言っていました。それがあれば、未来で大きな災害が起きた時に、難を逃れられるって。他のことは分かりません。母がもっと知っているかもしれません。母に聞いて、それからお伝えすることはできます」

「ええ」夏星河は頷いて同意した。「何か分かったら、遠慮なく教えて。この世界に本当に大きな災害が起こるんじゃないかと疑っているの」

謝小西は表情を引き締めて、確かに頷いた。「できるだけ早く聞き出してみます!何か必要なことがあれば、いつでも私に言ってください」

この世界に対して責任感がなくても、この世界に何かが起こるのは望まない。今では、大切な人がたくさんいるから。