席おじいさんは彼らを無理強いせず、頷いて言った。「わかった。これは君たち自身の問題だから、自分たちで決めなさい。おじいさんは君たちの選択を信じているよ。」
「ありがとうございます、おじいさん。」席牧白は口元を緩め、おじいさんの理解に感謝した。
夏星河は席牧白を見つめ、その目にも感謝の気持ちが浮かんでいた。
彼女が望まない理由を聞かずに理解してくれたことへの感謝。
席牧白は彼女の手をしっかりと握り、耳元で低い声で囁いた。「僕はそんなに寛容じゃないよ。帰ったら、ちゃんと説明してもらうからね?」
きちんと説明しないと、簡単には許してくれないという意味だった。
夏星河を見つめながら、席牧白はわざと妖艶で危険な笑みを浮かべた。
しかし夏星河は少しも脅威を感じず、ただ軽く頷いただけだった。
彼女は当然、彼に説明するつもりだった。
……
御山區の別荘に戻ると、席牧白は夏星河を部屋に連れて行った。
「話してくれ。なぜ結婚したくないんだ。今日、謝さんと何を話したんだ?」席牧白は彼女をじっと見つめて直接尋ねた。
彼は馬鹿じゃない。夏星河の態度が謝小西と関係していることを感じ取っていた。
きっと彼女から何かを聞いたに違いない。
夏星河は頷き、何も隠さずに全てを話した。
席牧白は表情を引き締めた。「大災害があるというような話、本当に信じているのか?」
「最初は信じていなかったけど、今は少し信じています。葉深もそう言っていたし、謝小西もそう言っていたから、きっと単純な話じゃないはずです。」
「エネルギーブロックはもともと単純なものじゃない。確かに何か特別なことがあるのかもしれないな。」席牧白は頷いた。
夏星河は言った。「だから急いで真相を解明したいんです。そうしないと、予測できない事態が起きるかもしれません。その時になって対処しようとしても遅すぎます。それに、私は母を見つけたいんです。」
「わかった、一緒に探そう!」席牧白は躊躇なく言った。これらの事が非現実的か、本当に存在するのかどうかは考えもしなかった。
彼女がやりたいことなら、無条件で支持するだけだった。
夏星河は彼の信頼と支援に感謝し、突然彼を抱きしめて言った。「これらのことが全て終わったら、結婚しましょう。」
席牧白の体が震えた。
これは夏星河が初めて自分から結婚の話を切り出した。