第673話 本当に彼女には困ったものだ

夏星河は少し意外そうな表情を浮かべた。「そこまで調べたの?」

席牧白は頷いた。「ああ。ちょうどR国に友人がいてね。彼らは私たちより詳しく、より正確に調査できるんだ。彼らによると、R国では賀蘭一族は評判が良く、一族も大きいらしい。ただし、とても控えめで、自国民は多少知っているものの、国外の人々はほとんど彼らのことを知らないそうだ」

「だから、彼らに問題があるかどうかを知るのは難しいということね」と夏星河は言った。

「そうだ。彼らがこれほど控えめだから、R国のメディアでさえほとんど彼らを報道できない。私たちが彼らについてもっと知ろうとしても、確かに難しい」

「それなら私が直接行ってみましょう。彼らに接触しなければ、本当に何も分からないでしょうから」夏星河は即座に決断を下した。「沈家に手配してもらえば、より正当な理由になります」

席牧白は即座に反対した。「だめだ。君が行くなんて。一人で行かせるなんて心配で仕方がない」

夏星河は固く決意を込めて彼を見つめた。「でも、行かなければなりません。スターリバー計画を解明したいなら、彼らのことを知る必要があります。そうしなければ、私たちは何も進展しないでしょう」

「でも……」

「私は沈家の代表として行くんです。大丈夫です。それに約束します。無謀なことはしません」夏星河は約束するように言った。席牧白は彼女の決意に満ちた澄んだ瞳を見て、もう止められないことを悟った。

夏星河がやろうと決めたことは、ほとんど誰にも止められなかった。

彼女はいつも自分が何をすべきかをはっきりと知っていて、一度決めたことは簡単には変えなかった。

席牧白は彼女のことを心配していても、承諾せざるを得なかった。

「分かった。だが約束してくれ。絶対に無謀なことはせず、何かあったら必ず私に話すんだ」

「はい」夏星河は少し微笑んだ。

席牧白は彼女の笑顔を見て、自分も思わず苦笑いを浮かべた。

この人生で、本当に彼女には手を焼いていた。彼女が何をしたいと言っても、断ることができなかった。

もしいつか彼女が彼のもとを去ると決心したら、それすら断れないのではないかと恐れていた……

しかし、それは彼の限界だった。

彼は彼女の望むことは何でも叶えてあげられる。ただ、永遠に彼の側にいてくれることだけを願って。

……