第176章 かがやきてんに報告する

蘇言深の周りにはさらに二人の人がいた。一人は許昭で、もう一人は若い女性で、スーツを着てブリーフケースを持っていた。

  俞晚晚はそこで初めて、空いているCの席が蘇言深のためのものだったことを知った。

  しかも、彼女とはたった一席の隔たりしかなかった。

  「これは...」凌邵乘のアシスタントである徐望が紹介を担当し、俞晚晚の紹介の際に彼は困ったように笑いながら、紹介すべきかどうか迷っていた。本来なら紹介する必要はないのだが、二人とも冷淡な態度を取っているのを見て、やはり紹介しておこうと思った。「こちらは晚卿ブランドの創業者、俞晚晚です。」

  俞晚晚は他の人と同様に、蘇言深に軽く頷いた。

  挨拶を終えるとすぐに視線を逸らした。

  次は俞子卿だったが、蘇言深が突然口を開いて止めた。「紹介の必要はない。」