第209章 ベッドの上の大きな影と小さな影

蘇言深は夜中まで座っていたが、疲れた顔をしながら立ち上がった。

　　部屋のドアに向かい、静かに鍵を回してドアを開けると、中には小さな夜灯がついていた。

　　「閉じ込めないで、叩かないで……」

　　彼は突然、あの晩の俞晚晚の感情の崩壊を思い出した。彼女が今こんなに暗闇を怖がるのは、牢屋で独房に閉じ込められた経験と関係があるのだろうか？

　　そう考えると、彼の心は締め付けられ、急いでベッドの側に歩み寄った。

　　ベッドには大きな影と小さな影が、向かい合って横たわっていた。

　　この光景は、彼が何度も夢で見た情景そのものだった。

　　彼は腰を曲げ、身を乗り出して、手を伸ばして布団を引き上げ、俞晚晚のお腹にかけた。

　　そして体を起こし、もう一度下を向いて数秒見つめた後、部屋を出た。