第211章 おばが最も好きなのは卵黄です

彼は蘇言深の皿に卵がないことに気づいた。彼と俞晚晚の皿にはあるのに。

  ちょうどそのとき、翁萍が外から入ってきて、にこやかに俞小滿の疑問に答えた。「小満さん、先生は卵黄にアレルギーがあるの」

  俞小滿はアレルギーがあるというのは好きじゃないという意味だと思い込んだ。「僕も卵黄は好きじゃないけど、白身は食べられるよ。黄身は全部おばに上げるよ。おばは卵黄が大好きだもんね」

  俞晚晚は口の中の卵黄をまだ飲み込めずにいた。飲み込もうとして吐き気を催すほどだった。彼女は俞小滿に白眼を向けた。

  彼女は全然好きじゃなかった。この小僧に食べ物を無駄にしないという手本を示すためでなければ、朝食のたびに彼の後について卵黄を食べたりしないのに。

  蘇言深は俞晚晚が俞小滿に向けた白眼を捉えた。彼の目に狡猾な笑みが浮かんだ。