第222章 これは夢なの?

蘇言深は身を翻して避けた。「沈律、お前の心配は余計だ」

  クソッ!俞晚晚は沈律という名前を聞いて、動揺を隠せなかった。

  この人が噂の沈律だったのか!!!

  蘇言深が大学に通っていた頃、同性愛者だと噂されていて、法学部の沈律と付き合っているという話があった。何度も蘇言深と沈律が一緒に食事をしたり買い物をしたりする写真が撮られていた。

  肖像権の問題があるため、沈律の正面の顔写真は一度も公開されたことがなく、あってもモザイクがかけられていた。

  最初は気にしていなかったが、明霜もいたからだ。しかし、噂がどんどん本当らしくなってきて、彼女も疑問を感じ始めた。沈律という人物に会いに行こうと決心したとき、沈律はすでに交換留学生として海外に行ってしまっていた。

  くそっ、なぜ気絶のふりをしたんだろう。沈律は当時、彼女にとってもライバルだったのに!

  「人が行き交う場所だし……」沈律は目で蘇言深に訴えかけた。

  蘇言深はゆっくりと言葉を区切って言った。「俺と彼女は、合法的な関係だ」

  俞晚晚の心臓が止まりそうになった。

  彼が……他人に二人の隠れた関係のことを話すなんて、しかも以前噂になった同性の友人に……

  合法的?どういう意味だ……沈律も非常に驚き、一瞬蘇言深の言葉の意味が理解できなかった。

  蘇言深はすでに俞晚晚を抱いてエレベーターホールに向かっていた。

  沈律は追いかけて、「お前が言う合……合法的って?」

  自分の推測に確信が持てず、興奮のあまり舌がもつれた。

  'ディーン'とエレベーターが到着した。

  蘇言深がエレベーターに乗り込む。沈律もついて入ろうとしたが、蘇言深に目で制止された。「お前はもう帰れ」

  沈律はドアの外に立ち、エレベーターが閉まるのを押さえた。今夜はっきりさせないと、おそらく眠れそうにない。「蘇言深、冗談だろ?」

  「お前の専門なら、合法的な意味がわからないはずがない」

  蘇言深は沈律に白眼を向けた。

  そして足を上げ、足でエレベーターの閉門ボタンを押した。

  沈律の驚愕の表情を無視して。

  'ブーン……'