俞晚晚に比べて、彼女は明霜をもっと嫌っていた。特に嫌いだった。
メッセージを送った相手は彼女の親友で、メッセージを送り終えると、彼女は怒りながら足早に歩いた。
……
喬芊倩が去ったばかりのところで、蘇言深の携帯が鳴った。沈律からのビデオ通話だった。
彼は事務机の前に歩み寄って電話に出ると、画面に二人の男性の顔が映った。
蘇言深の目は赤く、非常に疲れた様子だった。沈律はそちらで驚いて体を起こし、「風邪引いたの?」
驚きの中に喜びが混じり、隠しきれない他人の不幸を喜ぶ笑みを浮かべた。
かなり意地悪と言えるだろう。
蘇言深は顔を曇らせ、「何の用だ?」
冗談を言う気分は全くなく、沈律はすぐに本題に入った。「動画は合成ではない、本当に俞晚晚かもしれない。」
蘇言深は断固として返事をした。「ありえない。」
沈律は蘇言深の態度に困惑した。「なぜ部屋に入ったのが俞晚晚ではないと確信できるんだ?そんなに彼女を信じているのか?」
蘇言深はさらりと言った。「彼女は左手でドアを開けない。」
この細部は……動画の女性は確かに左手で田如山の部屋のドアを開けて入っていた。
沈律は蘇言深がなぜ俞晚晚が左手でドアを開けないと確信しているのか疑問に思ったが、彼が確信している理由があるはずだと確信した。
彼は本題に戻った。「警察が監視カメラの映像を取り寄せたんだが、俞晚……」
'ゴホン'沈律は話の途中で何かを思い出したようで、笑いながら二回咳払いをし、俞晚晚への呼び方を変えた。「奥さんの部屋のある廊下の監視カメラがその日一日中故障していてね。つまり、奥さんが部屋に戻るところも、出るところも映っていないんだ。」
監視カメラのことについて、蘇言深は全く驚かなかった。「今言ったことは俞晚晚がその時点で既に考えていたことだ。役に立つことを言ってくれ。」
相手が考えただけで分かることを、お前はまだ調査しなければならないのか、露骨な軽蔑だった。沈律は眉をひそめた。「どういうことが役に立つんだ?」
蘇言深:「一日以内にこれをやった犯人を突き止めることだ。」
沈律は尋ねた。「孫友斌じゃないのか?」