俞晚晚の手首を乱暴に掴み、横に引っ張った。
ちょうど俞晚晚の左腕を掴んだので、俞晚晚は痛みで腕が痙攣し、顔から血の気が引いた。
彼女は痛みで油断してしまい、警備員に1メートル以上引きずられ、正門の通路を空けてしまった。
「助手」
怒った女性の声が群衆の外で響いた。大声で叱責していたが、それでも女性の性格が優しく、しとやかであることが聞き取れた。
記者と警備員の視線が声の主に向けられた。
「明さん」
明霜を見た警備員は急いで俞晚晚の手を放し、他の二人の俞晚晚を押していた警備員も態度を改め、恭しく明霜に頭を下げた。
記者たちは明霜を見て、意外そうにも喜んでいた。
元々は俞晚晚を待ち伏せして彼女のスキャンダルをニュースにしようと思っていただけだったが、思わぬ収穫があり、蘇言深の現在の恋人に出会えた。