第353章 蘇言深、晚晚はあなたのことが好きだった、ずっと好きだった

俞子卿は母娘が気付かないうちに、もう一枚写真を盗撮して、俞晚晚に送信した。

写真を見ると、見覚えのある男の姿があり、顔を上げると、蘇言深が目の前に来ていた。

俞子卿は表情を冷たくした。

今や蘇言深は秦歡の仇敵であり、決して許せない仇。蘇言深を見ると、彼女は立ち上がり、彼を遮って、俞晚晚の墓に近づかせなかった。

「蘇言深、来るなって言ったでしょう?」

秦歡の敵意に、蘇言深は気にする様子もなく、俞靜苗を見て、「おば」と呼びかけた。

俞靜苗は冷淡な表情で、蘇言深に返事をしなかった。

蘇言深は足を進め、秦歡の横を通り過ぎ、俞晚晚の墓前に立った。墓石の女性の写真を見つめ、口角が微かに上がった。

彼が屈んで手を伸ばし、写真に触れようとすると、秦歡が彼の腕を掴んで引き離した。「蘇言深、あなたが晚晚を殺したのよ。晚晚の墓前に来る資格なんてないわ。分かってる?資格なんてない。出て行きなさい」