第575章 退学させられた

彼女は非常に傲慢で、非常に冷淡で、何にも関心がないようだった。

明霜は信じられない様子で俞晚晚の顔を見つめ続けた。「あなたは晚晚にそっくりね」

もし蘇安恒が彼女は秦悅だと確認したと言わなかったら、きっと彼女を俞晚晚だと思っていただろう。

蘇言深が調査したと言うなら、それは間違いなく事実だろう。

結局、芮敏は俞晚晚のせいで死んだのだから、もし俞晚晚が生きていれば、芮敏は殺人罪には問われず、死罪にはならなかったはず。蘇安恒は必ず彼女のために再審請求をしたはずだ。

学校の幹部たちは彼女が誰に似ているかなど気にも留めず、ただ早く追い出したいだけだった。「早く署名して出て行きなさい。私たちにはまだ用事があるんです」

張しゅにんは再び筆を持って俞晚晚に署名を迫った。

明霜は張しゅにんが手に持っている退学願をちらりと見て、わざと尋ねた。「どうしたんですか?」

彼女はN大の学長も居ることに気付き、学長に軽く頷いた。

張しゅにんは明霜に答えた。「秦悅さんは先日のマーケティング企画テストに不合格で、昨日の外国語テストも不合格だったので、退学になります」

明霜はすぐに俞晚晚のために嘆願した。「学長先生、秦悅は山間部で育ち、こういった知識に触れる機会がなかったと聞いています。学校は彼女に対して寛容であるべきではないでしょうか」

明霜の嘆願を聞いて、俞晚晚は目を回した。本当に少しも気持ちが変わっていない。牢屋で2年も過ごしたのに、まだ新しい手を使わず、このような善人キャラを演じている。

張しゅにんは学生に対して心配そうな口調で、「はぁ、私たちも一人の学生も見捨てたくないんですが、明さんはご存じないでしょう。彼女は勉強ができないだけでなく、社会的モラルも良くないんです。我々の学校はこのような学生を絶対に留めておくことはできません。N大の名声を傷つけることになります」

明霜はそれを聞いて、唇を噛みしめ、とても困った様子を見せた。

長い間葛藤した後、何か決心したかのように、直接学長に向かって言った。「学長、私が着任後に保留できる学生枠が一つありますが、今すぐ着任して、その枠を秦悅さんのために使わせていただきたいのですが」