第656章 婚約したばかりなら彼女と一緒にいるべき

蘇言深は電話を返さず、代わりに「俞晚晚」の番号に電話をかけた。

「申し訳ありませんが、お掛けになった電話の電源は切れています。」

音声ガイダンスを聞いて、蘇言深は眉をひそめ、この無責任な行動は俞晚晚らしくないと感じた。

彼女はあんなに厳しい状況でも小満さんを見捨てなかったのに。

蘇言深が疑問に思いながらぼんやりしていると、ノックの音がした。

彼の思考が中断され、携帯を置いて立ち上がりドアを開けに行った。

ドアを開けると、蘇昱がにやにや笑いながら立っていて、「叔父さん、会いたかったよ」と挨拶した。

蘇言深は無言で蘇昱を一瞥し、部屋に戻った。

冷蔵庫から冷たい水のボトルを取り出し、開けて大きく一口飲んだ。

蘇昱はソファにどかりと座り、足を組んでだらしない様子で蘇言深を見ながら、「叔父さん、今夜叔母さんの妹、つまりおばさんに会ったでしょ」と言った。