361.嘘つき

彼の眼差しは、氷のように冷たく、夏語默を凍りつかせた。「夏語默、今回こそ、俺たちは本当に終わったんだ」

　　彼は背を向けて歩き出し、数歩進んでから再び彼女に背を向けたまま立ち止まった。「安心しろ、母さんのことは、俺が処理する」

　　顧君航の足音が自分の背後で遠ざかっていくのを聞いて、夏語默はようやく自分の体から力が抜けていくのを感じた。静かにベンチに座り、呆然としていた。

　　胃からの出血のせいで、陸墨擎はぐっすりと眠れず、寝てすぐに目が覚めた。

　　目を開けるとすぐに、無意識のうちに喬栩の姿を探した。部屋の明かりは暗く、温かい夜灯の光で病室の中のすべてを見渡すことができた。

　　喬栩はいなくなっていた。

　　この認識が、陸墨擎の心を急に沈ませ、見慣れた痛みが突然彼の心に押し寄せた。

　　彼はベッドに寄りかかって座り、長い間沈黙していたが、突然自嘲的に笑い声を上げた。嗄れた声で言った。「嘘つき」

　　彼はついに、昔喬栩が家で自分を待っていた時の気持ちが身をもって分かった。

　　ざまあみろ！本当にざまあみろ！

　　彼は両手で顔を覆い、嗄れた声で笑っていた。一声また一声と、とても抑圧的な笑い声だった。笑っているはずなのに、なぜか切ない響きがした。

　　しばらくして、その苦痛に満ちた抑圧的な笑い声がようやく収まった。陸墨擎は顔から手を離し、ベッドから降りて、まだ痛みの残る胃を押さえながら、ゆっくりと給水機の方へ歩いていき、自分のためにコップ一杯の水を注いだ。

　　病室のドアが突然外から開けられ、陸墨擎は水を注ぐ動作を一瞬止めた。次の瞬間、急いでドアの方を見た。

　　彼が求めていたあの姿が視界に入った瞬間、陸墨擎の暗い目の奥に光が灯り、笑顔が一瞬にして彼の顔に広がった。

　　その時、手までが興奮して震え、熱い湯が数滴彼の手の甲に落ちたが、彼は痛みを感じなかった。

　　喬栩がドアを開けて入ってきた時、一目で給水機の近くに立つ背の高い姿を見た。その人は喜びに満ちた表情で自分を見ていた。

　　その様子は、まるで夢にまで見た宝物を手に入れたかのようで、いつもは冷静沈着な顔に、今は抑えきれない笑みが溢れていた。

　　「戻ってきたんだね」

　　彼の声は小さく、酒を飲んだ後で明らかに嗄れていたが、それでも言葉に込められた喜びを隠しきれなかった。