565.陸社長のWeChatの名前

喬栩のWeChatの友達はそれほど多くなく、普段何かあれば基本的に電話で連絡を取り、WeChatはあまり使わなかった。

今、このような友達追加のメッセージを見て開いてみると、追加者の名前を見た途端、彼女のまぶたがピクリと痙攣した。

【栩栩の旦那様】

こんな厨二病な名前を付けなくても。

承認した後、プロフィール写真を開くと、そこには彼女が寝ている写真が映っていて、最近撮られたものらしかった。

彼女が寝ている枕を見て、喬栩の顔が一瞬にして暗くなった。

あの夜、彼と...えっと...

疲れて寝てしまった後、客室に運ばれて撮られたんだろう。

「このケダモノ!」

彼女は思わず歯ぎしりしながら罵った。

次の瞬間、メッセージが届いた——

【奥さん、会いたいよ。】

喬栩:「……」

まるで小悪魔ちゃんみたいにべったりと。

彼女は彼のその言葉を完全に無視して、【気を付けて行ってね。】と返信しただけだった。

【もう行くよ。】

その後ろに「可哀想」なWeChatスタンプを付けて。

喬栩は思わず笑みを漏らし、「さようなら」のスタンプを返した後、何も言わなかった。

陸墨擎からもそれ以上メッセージは来なかった。おそらく飛行機が離陸したのだろう。

がらんとした部屋を見つめながら、今の喬栩は何かが足りないような気がして、寂しく、少し慣れない感じがした。

ソファーでぼんやりと座っていたが、突然何かを思い出したように、再びタブレットを手に取り、ウェイボーを開いた。

卓瑞に関するネガティブな投稿は全て削除されていたが、別の投稿が代わりにトレンド入りしていた。

それは喬栩と謝宇が病院を離れた後、王帥とあの騒ぎを起こした労働者たちが病室の前で交わした会話の動画で、喬栩が病室に入る前に、あらかじめそこで撮影するよう手配していたものだった。

動画は非常に鮮明で、王帥とそれらの労働者たちの表情まではっきりと映っていた。

それに加えて、王發が入院した時に謝宇が直接医療費を支払った証明書や、医師の診断書も数枚掲載されていた。

王發は単に足を怪我しただけで、意識不明の重体というほど深刻な状態ではなかった。

そしてネット上の投稿で言及されていた王發が高所作業中に転落する直前の動画も、ネットに公開された。