757.どこからそんな自信が出てきたの、私が怖くないと思って

「大丈夫？」

「大丈夫」

陸墨擎は喬栩の顔を淡々と見つめ、彼女の手を取って大股で二階から離れた。

彼の足取りは少し速かった。普段なら彼女と一緒に歩くときは無意識に歩調を緩めていたのに、今回はそうしなかった。

喬栩は彼が怒っているように感じた。しかもかなり激しく。

「陸墨擎、待ちなさい！待ちなさい！」

後ろから近くで、秦舒宜の慌てた叫び声が聞こえた。「陸墨擎、私はあなたのお母さんよ。あなたの奥さんにこんな扱いをさせるの？」

「陸墨擎、待ちなさい！陸墨擎、こんな不孝者は天罰が下って、不幸になるわよ！」

秦舒宜の遠ざかっていく冷酷で骨身に染みる呪いの言葉を聞いて、喬栩の表情が急に冷たくなり、目に鋭い光が宿った。

あの老いぼれ女、自分が恥知らずな行為をしておきながら、まだこんな悪毒な言葉で実の息子を呪うなんて。息子が不孝だと非難する資格なんてない。

陸墨擎に引かれていた足を突然止め、彼女は振り返って戻ろうとした。陸墨擎は一瞬の油断で彼女を掴み損ねた。

喬栩の足取りは速く、怒り心頭といった様子で、まだ陸墨擎を罵り続けている秦舒宜の前まで歩いていった。

「陸墨擎、お前は奥さんにお母さんをこんな扱いをさせて、きっと不幸に...」

パン——

パン——

左右の平手打ちが容赦なく秦舒宜の顔に食らわされ、秦舒宜はすっかり呆然として、しばらく我に返れなかった。

「最初は足を一本つぶすだけのつもりだったけど、今は違うわ...」

喬栩は傍らの島の責任者を見て言った。「両足とも潰してやって」

「喬栩！」

秦舒宜は悲鳴を上げた。

もともと嚴許は彼女のことをあまり気にかけておらず、この嚴おくさまという立場も嚴妤菲のおかげでもらえただけだった。今、彼女が不具者になれば、嚴許は間違いなく彼女を見捨てるだろう。

「喬栩、あなた、よくも！」

「こんな状況でも、私がやらないと思える自信はどこから来るの？」

喬栩は目を細め、秦舒宜の歪んだ顔に近づき、秦舒宜の目に浮かんだ恐怖を確認してから、冷笑して言った。

「あなたに力があると思ってるの？それとも、あなたのことを全く相手にしていない嚴さんに力があると？」

この時の秦舒宜は、顔が歪んで醜く、もし警備員に押さえられていなければ、おそらく喬栩に飛びかかっていただろう。