782.戦闘力が足りない

しかし、夏語默が顔を曇らせながら、これらの愚かなファンと罵り合って時間を無駄にしているのを見て、喬栩は心が動かされた。

実際、彼女が陸墨擎と似ているところは、彼女も友達作りが得意ではないということだ。よく考えてみると、今まで本当に心を開いて付き合えたのは、夏語默だけだった。

彼女がこうして自分のためにバカどもと罵り合うのを見て、喬栩は心が温かくなった。

夏語默の腕を取って言った。「もういいわ。所詮ただの道化師よ。こんな人たちと喧嘩する必要なんてないわ。私を罵る投稿一つで五角稼げるかもしれないけど、あなたが私のために罵り返しても、私はお金を払わないわよ。」

元々ネット上のバカどもに腹を立てていた夏語默も、喬栩のこの言葉に思わず吹き出してしまった。

彼女もこの中に金で雇われた水軍が多くいることを知っていた。どんなに道理を説いても、彼らはスポンサーの側に立つだけだ。

でも彼女は、あの愚かなコメントを見るとイライラして、見れば見るほど罵りたくなった。

この人たちの価値観は犬に食われてしまったのか？

携帯をバッグに投げ入れ、喬栩を見ながらぶつぶつと言った。「知らないわ。私は一件につき一元よ。さっき百件投稿したから、早くお金を払って。」

喬栩がバッグから百元札を取り出して彼女の手に押し付けるのを見て、「はい、取っておきなさい。あなたの戦闘力は低すぎるから、もう雇用する気はないわ。」

夏語默も遠慮なく百元を受け取り、バッグにしまった。喬栩がネット上の出来事を全く気にしていない様子を見て安心し、言った：

「ねえ、嚴妤菲はこんな投稿を何のためにしているの？ネットユーザーが騒ぎ立てれば、陸墨擎があなたを捨てて彼女と結婚すると思っているの？」

喬栩は首を振った。彼女も嚴妤菲がこれらの投稿で何をしたいのか分からなかった。

島主を怒らせるのが怖くないのか？

それとも、あの夜の出来事の後、嚴妤菲は開き直って、もう何も気にしなくなったのか？

「もしかしたら嚴妤菲の投稿じゃなくて、誰かが嚴妤菲を狙っているのかもしれない。」

「どういう意味？」