韓森は空中を飛び、変異血鋸銃を召喚し、それを銛のように使って下にいる秦萱めがけて激しく投げつけた。
秦萱が変身した黄金獅子は獅子の爪を伸ばし、変異血鋸銃を強く叩きつけた。すると、小腕ほどの太さの変異血鋸銃は三日月のように曲がり、横に弾き飛ばされた。
幸い変異血鋸銃の靭性は極めて高く、そうでなければこの一撃で間違いなく叩き折られていただろう。
韓森は変異血鋸銃を引き戻し、空中から秦萱を見つめたまま、再び攻撃する様子も地上に降りる動きも見せなかった。
人々はすぐに理解した。B神は秦萱の変身時間を消耗させようとしているのだ。融合変身型獣魂は体への負担が大きく、秦萱でさえ常に変身状態を維持することはできない。さもなければ体に極大なダメージを与えてしまう。
「なんて卑劣なんだ!」
「これが男のすることか?」
「何も分かっていないな、これは戦術だ」
「お前に飛べるのなら飛んでみろよ」
場外は突然騒然となった。B神を支持する者もいれば、秦萱を支持する者もいた。
秦萱は韓森に全く手が届かず、慌てて変身を解除した。しかし彼女が変身を解除するやいなや、韓森は飛び降りてきて、手にした修羅の戰刀で秦萱に向かって激しく斬りつけた。
秦萱はこれまで多くの強敵と戦ってきたが、今日ほど歯がゆい思いをしたことはなかった。彼女が変身すると韓森はすぐに空に飛び上がり、変身を解除すると韓森はまた突進してくる。力を発揮する機会すら与えられず、frustrationで苦しんでいた。
「ハハハ、B神はさすがだな。敵が攻めてくれば退き、敵が退けば攻める。これがゲリラ戦というものだ」
「こんなに人をいじめるなんてひどすぎる。秦萱はもう泣きそうだ」
「恥知らずの負け犬め。男がこんなに卑劣でいいのか!」
韓森はそんなことは気にも留めなかった。勝てることが何より大事なのだ。もし神戰に参加して十大神子の一人になれれば、神血の獣魂が報酬としてもらえるのだ。勝てるチャンスがあるなら、もちろん全力を尽くすべきだ。