第111章 榮耀シェルター

遠くから若者たちが獅子のような異生物を取り囲んで捕まえようとしているのが見えた。韓森は自分がまだ天に見放されていないと感じ、運はそれほど悪くないと思った。

韓森はすべての獣魂を引っ込め、短剣を袖の中に収めると、ゆっくりとその若者たちの方へ歩いていった。彼らがその異生物を狩り殺した後、口を開いた。「皆さん、ここがどこなのか教えていただけませんか。道に迷ってしまって」

異生物の狩りに興奮していた若者たちは、声を聞いて最初は驚き、武器を手に韓森のいる方向に向き直った。しかし、みすぼらしい姿で、服に血がついている韓森を見ると、警戒心は半分以上なくなった。

「どうしてこんなところに一人で来たんだ?」獣魂の鎧を半身に着けた若者が、まだ少し疑わしげに韓森を見ながら尋ねた。

「友人たちと一緒に来たんだが、運が良かったのか悪かったのか、飛ぶことのできる神血生物に出くわしてしまって、それで散り散りになってしまった。生き延びられただけでも天の恵みだよ」韓森は半分本当で半分嘘を交えて答えた。

「神血生物?どこにいるんだ?」若者たちは驚いて叫んだ。

「その神血生物が今どこにいるのかは分からない。川に飛び込んで命拾いをして、流されてどれだけ遠くまで来たのか分からないんだ。君たちが行きたいなら、川沿いに上流へ行ってみるといい。あいつがまだいるかどうかは分からないけどね」韓森は一呼吸置いて、また言った。「ここがどこなのか教えてもらえないかな?」

大きな目をした少女が口を開いた。「私たちもここがどこなのかよく分からないわ。でも、シェルターに戻りたいなら、西に向かって歩けばいいわ。1ヶ月ほど歩けば榮耀シェルターに戻れるはずよ」

韓森はその言葉を聞いて少し驚いた。榮耀シェルター、それは雪隆雁と林北風の出身のシェルターではないか?彼は榮耀シェルターの近くまで来ていたのだ。あの大河に一体どれほど流されたのか分からない。

この道中で大きな災難に遭わなかったのは、本当に幸運だったと言えるだろう。

半身に獣魂の鎧を着けた若者は韓森をしばらく見つめた後、突然口を開いた。「君の状況はかなり悪そうだな。俺たちもちょうど帰るところだったから、金を払ってくれるなら、一緒に連れて帰ってやってもいいぞ」