第207章 強すぎて対抗できる相手がいない

轟!

  システムが火花を散らす特殊効果を与えると同時に、納蘭承諾は信じられない表情で吹き飛ばされた。

  場外はすでに水を打ったように静まり返っていた。納蘭承諾がまた負けたのだ。2点連続で失点し、中央軍校のあのモンスターと対戦した時でさえ、納蘭承諾はこれほど惨めに負けたことはなかった。2点連続で失点するなんて、まさに信じがたいことだった。

  「納蘭が2点連続で失点?私は夢を見ているのか?」

  「納蘭があのモンスターと対戦した時でさえ、こんなに悲惨ではなかったよな?」

  「恐ろしすぎる!」

  「ブラックホークは今回すごすぎる。もし聖徳を完封で敗退させたら、優勝は間違いない。結局、中央軍校は今回の大会に参加していないしな」

  「皇帝が無敵すぎる。今のところ聖徳に1点も取らせていない。すごすぎる」

  「ブラックホークの選手とコーチが自信満々なのも納得だ。皇帝のような選手がいれば、俺も自信を持つよ」

  「皇帝は本当にすごい。黒白拳は無敵だ」

  ……

  方明全は目を細めながら生中継を見つつ、ゆっくりとお茶を飲んでいた。彼は韓森が勝てると思っていたが、こんなにも完璧に勝つとは予想していなかった。

  しかし、考えてみれば意外でもない。星宇カップの時も、韓森は同じような活躍を見せていた。彼がいれば何も心配することはなく、ただ勝利の喜びを存分に味わえばいいという感じだった。

  この男は方明全にとって興味深い存在だった。ある人物に似ているような気がしたが、それでいて異なるスタイルを持っていた。

  一方、文秀秀は完全に呆然としていた。納蘭承諾が2点連続で失点するなんて、まるで夢のようだった。それも悪夢だ。現実も夢も同じように残酷だった。

  彼女が期待していた聖徳軍校代表チームは、今のところ1点も取れていなかった。小さな1点すら取れていない。もし納蘭承諾がもう1点失えば、聖徳軍校代表チームは完封で敗退することになる。

  完封敗退だ。それがどういう意味か。聖徳軍校が創部以来、こんな屈辱を味わったことはないだろう。