第248章 隊長の特典

韓森は紀嫣然に会いに行きたかったが、全く機会がなかった。訓練館を出たばかりのところで、また秦萱に鋼甲避難所に呼び出されてしまった。

秦萱は一ヶ月前に第二神避難所に昇進する予定だったが、彼が戻って小分隊を引き継ぐのを待っていたため、今までまだ第二神避難所に行っていなかった。

秦萱は韓森を呼び寄せ、小分隊の全ての業務と資料を引き継ぎ、さらに韓森に注意すべき事項を伝えた。

楊曼麗は依然として副隊長であり、他のメンバーも変わっておらず、基本的に韓森が知っている人々ばかりだった。

引き継ぎが終わった後、秦萱は韓森を個別にオフィスに呼び出した。「楊副隊長は少し傲慢なところがあるが、悪意はなく、実務能力も高い。今後何かあれば彼女に任せることができる。結局、隊長として最も重要なのは自分の能力ではなく、人をどう使うかということだ。曼麗は仕事の能力が高すぎて、何でも自分でやろうとし、他人に任せることができない。だから彼女はチームのリーダーになれないんだ。」

「隊長、わかりました。」韓森は真剣な表情で答えた。

秦萱は立ち上がって笑いながら言った。「これからは君が隊長だ。小分隊のメンバーを任せる。頑張ってくれ。でも隊長の位置に執着しすぎないように。早く第二神避難所に昇進するんだ。そここそが本当の星の海なんだから。」

韓森は鋼甲避難所を出た後、すぐに特別安全行動組の公式コミュニティにログインした。このコミュニティに入るには何層もの認証手続きが必要で、一般人は天網上では見つけることができない。

韓森は入室後、自分の情報を検索すると、案の定、鋼甲小分隊の隊長になっていることが確認できた。自分の下には楊曼麗を含めて8人がおり、小分隊のメンバーの要求が厳しすぎて、実力があるだけでは加入できないのだ。

韓森が小分隊に加入できたのも、秦萱が個人的な影響力を使った結果だった。

この8人が任務を完了すると、彼ら自身が受け取る報酬の他に、任務ごとに隊長にもポイント報酬が与えられ、このポイントは特別安全行動組内部でリソースと交換することができる。

この8人は韓森の名義に移ったばかりなので、まだ彼にチームポイントを貢献していないが、ギャンブル中毒者など4人は任務中で、彼らが完了すれば、今回のポイントは直接韓森の名義になり、秦萱には行かない。