韓森の目に寒光が走り、聖戦天使の剣を逆心斬の構えで激しく振り下ろした。
ガン!
剣と大槍が激しく衝突し、抗いがたい恐ろしい力が韓森を剣もろとも吹き飛ばした。
韓森は第一神の庇護所の人間の中でもトップクラスの肉体の持ち主だったが、その神血生物の力に全く太刀打ちできず、数メートル飛ばされた後、水草の中をさらに十数メートル転がってようやく体を止めることができた。
横から短劍を一角獣の腹に突き刺そうとしていた呂偉南は呆然となった。韓森の力は彼も知っていたが、韓森でさえ十数メートルも吹き飛ばされるとは、自分の力などまったく相手にならないだろう。
その神血生物が大槍を回転させ、彼に向かって薙ぎ払おうとするのを見て、呂偉南は身を翻して逃げ出した。逃げながら大声で叫んだ。「大哥、逃げろ!こいつは手強すぎる!」
神血生物は呂偉南に向かって激しく槍を突き出したが、呂偉南の身のこなしは滑りやすく、まるでドジョウのように槍先の横をすり抜け、逃げながら鉄の羽鳥を呼び出し、それにしがみついて空へと飛び立った。
神血生物は一撃を外し、呂偉南を追うこともせず、向きを変えて再び韓森に突進していった。一角獣の突進力は凄まじく、十数メートルの距離をほぼ一瞬で駆け抜け、韓森の目の前に迫った。長槍が龍のごとく伸び、再び韓森の胸を狙って突き出された。
ドン!
血まみれの屠殺者の獸魂が韓森の体に降臨し、韓森と一体化して血まみれの屠殺者の力を与えた。
聖戦天使の剣が再び大槍と衝突し、耳障りな金属音と火花を散らした。韓森は血まみれの屠殺者変身を使用した状態でさえ、それでも力強く2、3歩後退させられた。
二人の狂暴なモンスターのような者たちが草原で激しく戦い、空中の呂偉南は呆然と見つめていた。まさかあの神血生物がこれほどまでに強いとは思いもよらなかった。
Bの神の名声は鋼鎧シェルターでは誰もが知るところだった。最近も一人で神の天子たちより先に神域島の神血生物を倒したばかりだった。
そんな凄腕の人物が、神血の獣魂変身を使用した状態でさえ、あの神血生物に押し込められているとは、想像を絶する。