PS:目が赤い丶心も黑いが盟主に昇進したことによる追加更新です。
クルーズ船が花園のような小島に停泊した時、紀凌風は警備員に背負われて船から降ろされた。酔いつぶれて歩くこともできない状態だった。
小島の別荘に戻ると、すぐに部屋に戻って寝てしまい、夕食は韓森と紀嫣然の二人だけで食べることになった。
「三兄が温泉があると言っていたけど、温泉に入りに行きませんか?」食事の後、韓森はにこにこしながら紀嫣然に言った。
紀嫣然は頬を赤らめた。韓森が何を企んでいるかわかっていた。彼女が韓森をここに連れてきたのは、紀凌風がいるから韓森が悪さをできないと思ったからだ。しかし、紀凌風が酔いつぶれてしまい、今は全く役に立たなくなってしまった。
広々とした温泉には紀嫣然と韓森の二人だけ。まだ30分も経っていないのに、紀嫣然はすでに頬を真っ赤にして、言いようのない魅力を放っていた。
韓森はもう我慢できず、紀嫣然の玉のような体を抱き上げ、大股で部屋へと向かった。
紀嫣然は酔ったかのように、両手で韓森の首に腕を回し、小さな顔を韓森の胸に埋め、体は力が抜けてふわふわしていた。
雪のような布団の上に体を置かれると、紀嫣然の頬はさらに艶やかに染まり、目には波のような艶めきが宿り、極めて魅惑的だった。
「可愛い嫣然、いただきます」韓森は飢えた虎のように、かわいそうな子羊を掌中に収めた。
「んん...」
四日三晩のエーゲ島の旅は、韓森にとってはあっという間に過ぎ去った。名残惜しく軍校に戻った後、韓森は小隊の任務を手配してから、自身も鋼甲避難所に入った。
子雲獣が神血レベルまで育つまでにはまだ一ヶ月以上かかる。韓森はこの期間を利用して変異生物を狩りに行くことにした。
変異生物が最も見つけやすい場所は暗黒沼だが、そこの変異生物は一般的に大きすぎる。一方、白魔大荒原の変異生物は群れをなしていることが多く、狩りが面倒だ。
あれこれ考えた末、韓森は玉竜山脈で運試しをすることにした。
以前は韓森も近くの山脈の名前しか知らなかったが、山脈の具体的な方向や分布についてはよく分かっていなかった。
小隊の隊長になってから、韓森は特別安全行動組の内部資料で多くの有用な情報を見た。その中でもかなりの部分がこの玉竜山脈に関するものだった。