韓森は石さんと王萌萌たちに手を振り、訓練場に入った。ほぼ同時に、京極雅も訓練場に入ってきた。
「韓先輩、一つ事前にお伝えしておきたいことがあります」京極雅は韓森の前に来て、にこやかに言った。
「言いたいことがあるなら言えばいい」韓森は淡々と言った。
京極雅は微笑むだけで何も言わず、弓立てに向かって16.0の練習用弓を取り、矢筒を背負って韓森の前に戻ってきた。
次の瞬間、京極雅は背筋を伸ばし、素早く一本の矢を取り出して弓にかけ、何気なく弓を引いて、一矢を放った。
しかしそれは始まりに過ぎなかった。続いて京極雅は矢を次々と素早く放ち、ほとんど間隔を置かずに、十本の矢が一直線となって200メートル先の的を目指した。
学生たちは目を見張った。京極雅が持っているのが16.0の弓だとは信じがたく、そのような弓で十本の矢を連射するには、どれほどの力が必要なのか想像するだけで恐ろしかった。
「やはり以前の京極霧よりも強いわね」司徒香が呟いた。
陳伶も密かに驚いていた。未進化者の中で、このような力を持つ者は極めて稀だった。京極雅はまだ一年生なのに、すでにこのような力を持っているとは、本当に恐ろしいことだった。
皆が京極雅の演技に驚いている時、彼らの驚きはまだ始まったばかりだということに気付いた。
一直線に放たれた十本の矢のうち、最初の矢が的の中心に命中した。二本目の矢は一本目の矢尾に当たりそうになったが、矢尾に近づいた瞬間、不思議なことに横に逸れて的に刺さった。
残りの八本の矢も同様で、一本目の矢尾に当たりそうになると突然横に逸れ、非常に不思議な光景だった。
十本の矢は全て的に命中し、最初の一本だけが的中心に刺さり、他の九本は円を描くように最初の矢を取り囲み、完璧な配置となっていた。
全員が驚きの声を上げ、誰かが叫んだ。「螺旋矢の技!これは韓先輩の螺旋矢の技ではありませんか?なぜ京極雅も使えるのですか?」
この時、司徒香も場内の京極雅を驚きの目で見つめていた。16.0の弓で瞬時に十本の矢を連射し、九本が螺旋矢を描き、その配置を見れば京極雅が螺旋矢の技を自在に使いこなしていることは明らかだった。