第106章 確認に行く

栗原愛南の目に一筋の光が走り、人生に鮮やかな色彩を見出したような気がした。

  自分の予想通りなのだろうか?

  栗原奥様が本当の母親だったのか……

  そう考えれば、広石宗大が栗原郁子を何年も脅迫し続けた理由も、広石博隆が栗原郁子は自分の人生を奪ったと言った理由も説明がつく。

  栗原愛南は心の奥底に芽生えた希望の種が、突然地に落ち、急速に芽吹いたように感じた。

  「あなたがそう言うなら、そうなんでしょう」

  広石博隆が口を開いた。その瞳には安堵の色が浮かんでいた。

  彼の突然の態度の変化に、栗原愛南は眉をひそめ、一瞬読み取れなくなった。

  広石博隆という人物は、暗闇に潜む鼠のようだ。以前、広石宗大を殺した後、委屈そうで恐怖に震える演技をし、木村隊長も川内美玲さえも騙してしまった。