第156章 栗原郁子が逮捕される!

栗原郁子は突然、信じられないという表情で彼を見た。

  しかしすぐに気づいた!

  スクリーンにはすでに結婚証明書が映し出されていた。これは森川北翔が彼らのやったことをすでに知っていたことを意味していた!

  そう思った瞬間、紀田亮が突然リモコンを取り出してボタンを押すと、スクリーンに動画が表示された。

  その場にいた全員が、はっきりと見ることができた。それは2つの監視カメラの映像だった。

  1つ目は栗原郁子がこっそりと音響室に入り、USBメモリーの写真をコピーする様子。

  2つ目は家の2人のメイドで、1人が後ろで写真を操作し、もう1人が前でこっそりリモコンを操作している様子……

  証拠は明白だった!

  栗原郁子は慌てて森川辰を見た。この一件について彼は知っていたはずだ。むしろ彼女と一緒にやったのだ。しかし今、森川辰は一歩後ろに下がり、彼女との目を合わせるのを避けた。

  栗原郁子は心が乱れ、思わず叫んだ。「辰お兄さん……」

  森川辰は無意識に森川元碩を見た。

  この父親は眉をひどく顰め、彼を睨みつけていた。目には失望の色が浮かんでいた。まるでこう言っているようだった:こんな些細なことも上手くできないのか、お前に何の価値がある!

  森川辰は瞬時に拳を握りしめた。彼は突然栗原郁子の前に飛び出した。

  栗原郁子は彼が自分を守ってくれると思い、顔を輝かせた。しかし次の瞬間……

  「パチン!」

  森川辰は彼女の頬を激しく平手打ちした。「栗原郁子、まさかお前がこんな人間だったとは思わなかった!お前が栗原愛南と仲が悪いのは知っている。彼女はお前の異父妹で、幼い頃から憎んでいた。でも、ひいおばあ様の誕生日パーティーでこんなことをするなんて!」

  栗原郁子は呆然とした。

  彼女は自分の頬を押さえ、今の森川辰を信じられない様子で見つめた。

  拘束されていた広石若菜は、最初は逃げられないと分かって静かにしていた。警備員に両手を後ろで縛られ、口には布が詰められていた。

  しかしこの状況を見て突然立ち上がった。彼女は怒りの「うめき声」を上げ、体を左右に揺らして警備員を振り払い、そして森川辰の腹部に頭突きをした。

  森川辰は数歩後ろに下がり、腹部に痛みを感じた。